シューマン 小さなフーガ(ユーゲントアルバムOp.68-40,ソナチネアルバム1 30 番) ピアノ教室CAT ピアノねこだよりのブログ



シューマン 小さなフーガ ユーゲントアルバムOp. 68-40 (ソナチネアルバム1  30番)
演奏 ピアノねこだより(by pianonekodayori )



シューマン  小さなフーガはユーゲントアルバムOp.68の第40曲です。
曲の構成は前奏曲とフーガの2つの部分からなります。
初めの前奏曲は牧歌のようで、どこか懐かしい感じがします。
前奏曲は主に2声で、右手で弾く旋律と左手で弾く旋律が絡み合うように演奏されます。
右手と左手の旋律の音域が重なる箇所では、両手が本当に重なるので、2つの旋律をスムーズに弾くためには、指の柔軟性が必要になります。
フレーズがどこまでつながっているのかを意識して弾くと良いと思います。
この前奏曲は、小さな子が「なぜ、なんで?」と問いかけているように、ため息の音型が折り重なるように展開していきます。


つづくフーガはスタッカート(音を短く切って弾く)が多く指示されていますが、ノンレガート(音をつなげないで弾く)と私は解釈しました。

同じように音符に点(スタッカート)が書かれていますが、その音によって意味が変わると思います。

アクセントを入れる、軽く弾く、ベースを重めに弾くなど、工夫してみると曲の流れが動きます。
転調がある時には、音色を変えてみると良いと思います。
テンポの取り方ですが、私は少し遅めに弾いているかもしれません。
前奏曲とフーガのテンポを同じにすることで、2曲の関係性がより感じられると思います。
またフーガは遅めのテンポではっきりとした音で演奏することで、緊張感が高まった部分と緊張感から開放された部分の差が際立つと思います。


前奏曲とフーガ、というとJ.S バッハの平均律クラヴィーア曲集を思い浮かべる方も多いと思います。
シューマンの小さなフーガを弾くには、バッハの作品であれば、平均律クラヴィーア曲集の前に練習する三声シンフォニアを何曲か弾いた経験があると、楽になると思います。

ところで、このシューマンの作品は、ソナチネアルバム1にも掲載されています。
またバッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻より第1番前奏曲(グノー作曲アヴェ・マリアの伴奏に用いられたことで有名ですよね。)も掲載されています。

ソナチネアルバム1は、古典派の代表的な曲のスタイルであるソナタを学ぶ為の曲が掲載されています。

ソナタより小規模なソナチネの他に、バロックから古典派、ロマン派の作曲家の小品が掲載されています。
というのは、ソナチネアルバムが古典派の作曲家が活躍した年代より後のロマン派作曲家が活躍している年代に編纂されているからです。
ソナチネアルバム1を調べると、この楽譜が出版された当時のピアノ学習の様子、古典派の作品を中心に、古典派より前と後の作品を系統立てて学んでいたことがわかります。
そして現代の日本でも、ソナチネアルバム1は趣味でクラシックピアノを習う子供たちに学ばれています。


シューマンのユーゲントアルバムは、一部分がいろいろな作品を集めた曲集の中で見ることはありますが、ユーゲントアルバムすべてを学ぶことは、日本では少ないと思います。
また日本で出版されているソナチネアルバム1は、シューマンの小さなフーガが掲載されている楽譜と掲載されていない楽譜があります。

私のレッスンでは、シューマンの小さなフーガが掲載されている楽譜を使っています。
しかし実際のレッスンでシューマンの小さなフーガを教えることは少ないです。

バッハの二声インベンション、三声シンフォニアを教えることも少ないです。
このあたりの曲集を練習すると、ピアノ演奏の技量が上がると思うのですが、難しいケースが多いと感じます。
なので生徒さんのレッスン時間に、私はバッハやシューマンの小さなフーガのようなポリフォニーで書かれた作品を弾くことがあります。

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