ダカン かっこう Daquin Le Coucou by pianonekodayori
私がダカン作曲「かっこう」を演奏するときに気をつけたこと。
小さな子どもに教えるときに気をつけること。
ルイ・クロード・ダカン(1694年生まれ〜没年1772年)はフランス人の作曲家です。
日本でいうと1694年〜1772年は江戸時代になります。
1694年ごろは第5代将軍、徳川綱吉、そして1772年ごろは第10代将軍、徳川家治が日本を治めていました。
1702年頃は赤穂浪士の事件があったり「奥の細道」で有名な松尾芭蕉が活躍していました。
1694年から1772年の間に活躍した文化人は、浮世絵師の葛飾北斎などがいます。
ダカンが「かっこう」を作曲した時の楽器は、ピアノの前身と言われる鍵盤楽器、クラヴサンでした。クラヴサンは英語ではハープシコード、ドイツ語ではチェンバロと呼ばれています。
クラヴサンと現代のピアノでは音を発する仕組みが違います。
私はこの古典楽器を弾いたことがないですが、現代のピアノで演奏するということは古典楽器のときとアプローチが違うのだと思います。
現代のピアノで演奏するとき、大切なことは、音の粒を揃えて弾くことです。
音の粒を揃えて弾くとは、音質を揃えて弾くということです。
左右の手のどちらで弾いても、音の粒(音質)が揃うように弾きます。
私が「かっこう」を弾いたとき気をつけたこと。
かっこうは2羽いる。
または、深い森の中にかっこうの鳴き声がこだまする。
左手の音型が、かっこうの鳴き声を模していることはわかりやすいですが、右手にも「かっこうの音型」が隠れています。右手の旋律は、ただ音の粒を揃えて弾くだけではなく、隠れている「かっこうの音型」を意識しました。
柔らかく軽い音色で、右手と左手の2つの旋律の絡み合いを表現しました。
ここでも、ただ音を均一に揃えてはいません。指を動かして軽く弾く、指先を固定して肘から落とすように弾くなど色々な弾き方を使って、お話をしているかのように聞こえるようにしました。
私が「かっこう」を小さな子どもに教えるとき気をつけること。
左手のかっこうと右手の旋律。
趣味でピアノを習っている小さな子どもの場合、まだ音の粒を揃えて弾くことができません。
まず音の粒を揃えて弾けるようになることが、基本で大切なことです。
色々な弾き方は、応用であって、できるようになるには年数がかかります。
なので、弾きやすい左手のかっこうは応用した弾き方を教えて、右手の旋律は音の粒を揃えることを指導します。
右手の旋律の同音連打ができるようになれば、この曲を練習した成果があります。
さて、よく「〇〇が弾けるようになるのは、何年生?」のような質問があります。
この「かっこう」に限らないですが、特定の曲が弾けるようになるのは個人差があって、一概に言えないところがあります。
ただこの「かっこう」は、2024年度、第48回ピティナ・ピアノコンペティションC級のバロックスタイルの課題曲です。
C級は小学校6年生以下を対象にしており、主に小学校5年生と6年生が挑戦すると思います。
C級バロックスタイルの他の課題曲に、J.Sバッハの2声インベンションがあることからみても、2声インベンションを何曲か学んでいることが望ましいと思います。
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